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ヘルニアだから、しょうがない…

先日、ある女性患者さんがいらっしゃいました。

お話くださった症状は、慢性的に首や肩がツラく、それがひどくなると、

頭も痛くなるということです。

もちろん首や肩の治療を重点的に行なったのですが、更にお話を伺うと、

お仕事で重い荷物を運んだり、商品の陳列の為に重い物を上に持ち上げたりと、

肉体労働も多く、その影響からか腰も悪く脚までシビレがあって、

夜中に目が覚めてしまうこともしばしばだそうです。

病院で何度か診察を受けたこともあるそうですが、レントゲンを撮っても…

「腰の骨の間が狭くなってヘルニアっぽいから、痛いのはしょうがないですね。」

と言われ続け、彼女も「なんとかしたい」と思いながら、

お医者さんに言われてしまったのだから仕方ない…と、半ば諦めていました。

確かにレントゲンやCT・MRI検査などは、

見えない病気や痛みの原因を見つけるには非常に有効な手段です。

しかし、このように痛みの本当の原因を探すこともなく、

画像上の『っぽい…』という問題だけで、

「痛いのはしょうがない」「もっと酷くなったら手術するけど、とりあえず様子みて」

そんな言葉で諦めさせられている。そんな方も多いのではないでしょうか。

私が考えるに、「痛いのはしょうがない」という言葉の裏には、

「どうやって治して良いか解らない」「あなたの腰が痛くても、僕には関係ない」

そんな意味が含まれているように思えてなりません。

以前の常識は、背骨と背骨の間に椎間板というクッションがあって、

背骨の間が狭くなることでクッションが外に飛び出し、

それが腰や脚を通っている神経を刺激して痛みやシビレが出る。

そんな考え方が一般的でした。

かく言う私も学生時代や臨床駆け出しの頃は、そう信じ込まされてきました。

しかし20年ほど前にある実験で、全く腰痛など無い人にMRIと撮ったところ、

なんと76%の人にヘルニアがみられた、という結果が出たのです。

これはどういうことかというと、ヘルニアがあったところで、

それが直接痛みの原因にはならないということを意味しています。

つまり、ヘルニアは痛みの原因ではないのです。

『ヘルニア=痛み・シビレ』というという概念は、おそらく痛みの原因を

『見た目』で説明しないといけないという判断だったのでしょう。

「痛みはヘルニアがあるからです。」そんな風に言われたら、そこは考えた方が良いかもしれませんね(゚o゚;;

では、ナゼ痛みやシビレが出るのでしょうか?

私は大きな原因は2つあると考えています。


まず1つ目として考えられるのが、筋肉のコリや損傷といった、筋肉のダメージです。

「ナニ⁉︎コリが痛みとかシビレの原因になるの?」

と思った方、コリを甘く見ないでください。

コリは、決してその部分だけが重くなったり痛くなったりするものではありません。

そのコリが『筋膜』とういう組織を通じて、遠く離れた部分に痛みを引き起こす

放散する痛みの『引き金』になってしまうことも、よくあるのです。

実際の例として、頬の痛みの原因として、ふくらはぎの筋肉が影響しているなんていうこともあるくらいです。


更にもう1つの原因として、「ヘルニアだから…」と諦めさせられてしまっている

心因性のものも要因としては大きく影響するんです。

実際に痛いのは、腰や首や肩かもしれませんが、

痛みというのは腰や首や肩で『感じている』訳ではありません。

痛みを『感じている』のは、脳です。

そして身体を治してくれるのも、決して医師や私たち施術者ではありません。

あくまでも、あなた自身の脳の働きによって身体は変化し改善するのです

ですから、「痛いのはしょうがない」と脳が認識してしまった時点で、

脳は「治そう」という働きをストップしてしまいます。

その状態で、どんな治療を施したとしても、まず効果は期待できません。

なので、「必ず良くなるんだ!」「こんなに良くなった!」というマインドも、

身体を治す上では、非常に大切な下地になるのです。

この女性の場合は仕事が忙しく、なかなか頻繁に通院という訳にもいきませんでしたが、多少シビレは残るものの、3回くらいの治療でだいぶ楽になったとおっしゃっていました。


身体を早く改善させる方法は、いくらでもあります。

決して1つだけではありませんし、「コレが正解!」というものも無いと思います。

『何をするか?』も大事ですが、『改善させる為にどう考えるか?』の方が大事だと私は思っています。

何をしてもなかなか良くならない方、治す方法を変える前に、ちょっとだけ発想の転換をしてみてはいかがでしょうか?


今回もお読みいただきありがとうございます!

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